ART- POTTERY 白と紫のコントラストが素敵な一点物の花器 試行錯誤により辿り着いた中門さん独自の技法によって色彩豊かな漆の美しさが存分に引き出されています。この花器の色は、紫と白となっております。漆は樹液であるため白といっても真っ白ではなく、生成色が漆の白となります。中門さんへ作品を作る工程について伺いました。花器のぼかしのような模様はヘラで引っ張って作られています。ヘラは、太いものから細いものと大きさが様々なものがあるため使い分けているそうです。また下地の色の上にハケを用いて描くため失敗のできない一回勝負で描かれています。ただ線を書いたりするのではなく感覚がとても大切とのことでした。漆の色同士の調合が難しく、特に一点物の商品は、偶然の重なりでできた色を使って作品作りをしているため同じものを作ることが困難であることを教えてくださいました。 この花器の製作での想いについては映像的や立体感を大切にしたそうです。窓から見た風景に見えたり、嵐や森林、海に見えたりと何にでも見えるのではないかとお話しされていました。そのためお手に取る方の感性にお任せしたいということでした。私はこの花器を手に取った時、陽の光やどこの上に置くかで色の見え方が変わって面白いと感じました。そして荒々しい模様の中に、どこか優しさも感じました。お手に取っていただける方の感性を引き出してくれる作品ではないでしょうか。この作品を手に取りぜひご自身の感じ方で感じて欲しいと思います。